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東京視力 船橋センターブログ

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網膜色素変性症

皆さんは『網膜色素変性症』という難病をご存知ですか?

眼の中に入った光は、眼底の網膜、カメラに例えるとフィルムに相当する組織で焦点を結び、その情報が脳へ送られて視覚が成立します。
網膜は1億数千万個もの『視細胞』という、光を感知する細胞が集まって構成されています。
『網膜色素変性症』はこの視細胞が年齢よりも早く老化し、機能しなくなってしまう両眼性の病気のことです。
視細胞が働かなくなった部分は光を感じとれず、映像になりません。
普通最初に現れる症状は、夜や薄暗い屋内でものが見えにくくなる『夜盲』『鳥目』というもので、その後『視野狭窄』が少しずつ進行し、見える範囲が周辺部分から中心に向かい狭くなっていきます。
最近は夜でも明るい所が多いので、夜盲ではなく視野狭窄によって発病に気づく人も増えています。
例えば、足元が視界に入らないためつまずきやすい、球技をしているときに球を見失いやすい、落としたものを探すのに苦労する、人ごみで人にぶつかる、というようなことです。

この病気の発病頻度は、人口3000~8000人に1人の割合で、ほとんどが遺伝による発病です。
原因となる遺伝子はいくつか知られていて、優性遺伝、劣性遺伝、伴性遺伝などのパターンで遺伝します。
近親者にこの病気の人がなく、一見遺伝ではなく突然発病したように思われることもあり、それとは逆に親がこの病気だからといって、その子どもが必ず発病するわけでもありません。

世界的には、症状の進行を遅らせることは可能でも、決定的な治療法がないとされている難病です。

この難病に国を挙げて取り組んでいるキューバの国際網膜色素変性症センターの医師が、最近、来日して講演をしました。

まだ視力がある患者を対象とするキューバ方式の治療法は1987年に始まり、 1回の手術後、オゾン療法、電気刺激法でコントロールし、ビタミン剤やサプリメントも用いる治療法です。
結果、8%は改善せず、16%は視野が改善、76%は症状が進行せず、36%は視力が改善したそうです。

手術はキューバで開発され、眼球の後ろにある脂肪組織を網膜の下の脈絡膜に移植し、脂肪組織はさまざまな物質を作っており、血流や酸素を増やして免疫を高め、血管や神経の回復も期待できるそうです。
オゾン療法は採血した本人の血液にオゾンガスを加えて点滴で戻す、など。
電気刺激療法は両まぶたの上と両手のツボの計4カ所を専用の米国製機器で刺激するそうです。

両治療法は手術翌日から毎日1回ずつ2週間程度続け、キューバの患者はその後、毎年2回受けます。

来日したキューバの医師は、これまで109カ国2万人以上を手術し、外国人の場合、追加の治療が行われないことが多く、効果が一定しないので、最終的にキューバ方式を疑問視する医師も少なくないそうです。
また、国際医学雑誌への投稿は、最終的にほとんど掲載拒否されてしまっているようです。

この難病は日本で一部の医師が漢方治療を実施しているところもあるようですが、症状を改善するにはなかなか至らないのが現状のようです。

このキューバ方式治療法は現在も研究が進められているそうで、来日したキューバの医師は、日本でももっとこの難病と治療法の研究に力を入れ、キューバ方式治療法の導入も考えていって欲しいことを話していたそうです。

この難病に関しての理解がもっと深まり、一日も早く治療法の研究が進むことを願っています
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